2018年7月から待ちに待った「デザインあ展 in TOKYO」の開催が日本科学未来館でスタートしました。
子育て世代の親御さんならご存じの方も多い、Eテレの人気番組「デザインあ」ですが、斬新な切り口のデザイン思考に毎回興味津々で視聴しているにこる(@choco2col)です。
今回はその展覧会の概要と、実際に体験して得た感動や想いを記事にまとめました。出来るだけわかりやすくお伝えしたいと思っていますので、これから会場に足を運ばれる方、楽しみにされている方はネタバレになりますのでご注意ください。
「デザインあ」とは?
「デザインあ」は、Eテレ(NHK 教育テレビ)で放送されている子供向けの教育番組です。
こどもたちの未来をハッピーにする「デザイン的思考」をはぐくむ
デザインには、工業デザイン、グラフィックデザイン、服飾デザイン、建築デザイン、照明デザインなど、様々な分野があります。
それらすべてのデザインは、物事の本質をしっかりと見出し、そこに工夫を加えることで、さらなる使いやすさ、美しさ、心地良さを実現することを目的としています。
つまりデザインとは、人とモノ、人と人との関係を「より良くつなげる」ための観察・思索・知恵・行動のプロセスです。「デザインあ」は、私たちの身の回りに当たり前に存在しているモノをこうした「デザイン」の視点から徹底的に見つめ直し、斬新な映像手法と音楽で表現。こどもたちに「デザインの面白さ」を伝え、「デザイン的な視点と感性」を育む一歩となることをめざしています。
引用元:デザインあとは-デザインあ
にこる
ご興味がございましたらNHKの番組紹介ページも是非ご覧ください。
参考
Eテレ「デザインあ」番組ホームページNHK 日本放送協会
会場は東京・お台場「日本科学未来館」
日本科学未来館へは都内から路線バスも出ていますが本数が少なく、お車でのご来場には地下駐車場もありますが175台と台数が限られているため「新交通ゆりかもめ」での電車利用がおすすめです。
最寄駅は「船の科学館駅」か「テレコムセンター駅」です。日本科学未来館までの徒歩所要時間はどちらも5分程度で変わらないのですが、向かう途中の「周りの景色」がだいぶ違います。
船の科学館駅⇒日本科学未来館へは、普通の道路脇の歩道を延々歩く感じで、無機質で飾り気がないシンプルな通りを通って向かいます。
一方テレコムセンター駅⇒日本科学未来館へは、スマイルガーデンと呼ばれる綺麗に整備された芝生や滝の広場を右手に眺めながら向かいます。
もしお子さん連れで向かう場合は、テレコムセンター駅からの方が車通りも少なく安全で、樹木を眺めつつのんびり歩けるのでおすすめです。
「自分で見て、自分で考える」というプロセスを楽しく体験してもらう体験型展示作品や、来場者が創造することで出来上がっていく参加型作品など、創造的空間に仕上がっています。
展示会場は大きく3つのテーマに分けられており、「観察のへや」「体感のへや」「概念のへや」とそれぞれ部屋分けされています。展示会場に入場してから体験する順にいくつかご紹介します。
観察のへや
入場口から入って一番最初に対面するのは「チューブの「あ」」という作品です。チューブ類の物は毎日何かと目にして無意識で使用されると思いますが、チューブが拡大化されている事で目に留まり、普段は気がつかない中身が出た瞬間の面白さを観察できます。
つめられたもの
日本独特の4種類のお弁当に焦点をあて、それぞれのお弁当に詰まった食材とその詰められ方を観察できます。
展示されているお弁当は本物ではありませんが、どれも再現度が高すぎてそのまま食べれそうな位良く出来ていました。
食材の展示の仕方もすごく面白いですよね。大根やゴボウなど小さな面積の底でどうやって立っているのかすごく不思議です。
にこる
たまごの変身
たまごを調理する時に、最初は同じたまごでも、調理の仕方や手順などにより最終的には全く違う形でお弁当を彩る姿を観察できます。
どれも知っているたまごの姿なのですが、本当に普段気にもしていなかったデザインの視点に気づき、驚かされます。
にこる
梅干しのきもち
こちらは参加して遊べる体験型の展示です。私が行ったのは平日ですが、人気なのかすごい行列で待ち時間が発生していました。一度展示を最後まで全て体験してから戻ったら、半分くらいの待ち列になっていたので並んでみました。
大きなお弁当箱に穴が開けられていて、そこから覗くと梅干しのきもちがわかる・・・ような気になる作品です。みなさん梅干しになりきって記念撮影されていましたよ。
↑このアングルで台が用意されていて、ここから写真撮影が出来ます。
下から丸い穴を覗くとこんな感じです。
そして梅干しのきもちになるとこんな感じです・・・ アイデアやデザイン的視点も素晴らしいですが、何より巨大化されたお弁当でもそのクオリティはすごく高く、本物みたい!(そればっかりですね・・・)
にこる
マークだけの群れ
普段生活する中でも身の回りにたくさんある「マーク」に焦点を当てた作品です。マーク以外の部分をすべて白くする事でマーク自体がどこにあるのか一瞬で見つける事ができ、マークにもたくさんの種類がある事がわかります。
白くなかったらマークの存在もぼやけてしまいがちですが、このマーク自体も立派なデザインであり、誰かが考えて創造したものなのです。
抽象度のオブジェ
先ほどのマークだけの群れもそうですが、「マーク」というものはシンプルな色と形で出来ている事が多いですが、何を元に抽象化され、その抽象化の度合いによって伝わり方や感じ方がどう違うのかを観察出来るのがこの「抽象度のオブジェ」です。
これは日常街中などで良く見かけるトイレのマークですよね。〇と△に、青と赤、こんな簡単な形と色でも、私たちはこれだけでどちらが男性用トイレで、どちらが女性用トイレなのかわかってしまいます。
逆に1枚目の写真のように、細かく細部まで表現されたデザインのトイレを今まで見たことはありません。細かく表現する必要が無いんだと思います。
誰が見てもこっちが男性用トイレだ!とわかればそれでいいですし、マーク作成に余計な時間やコストはかからない方がいいですよね。
ちなみにこの中で私が一番良いな、と思ったのはこのオブジェです。丁度いい抽象度具合でかわいさも感じられます。
マークをつくる
この展示は参加型のあそべる展示だったので、すごく混雑していました。たくさんある「マーク」のプレートを何枚か重ねて、自分デザインのマークを創造してあそべます。
私も適当に作成してみたのですが・・・ なんだかくるくる模様のパンツみたいになってしまいました(笑)ライトテーブルの光が弱いのか、プレートの透明度が足りないのか、3枚以上重ねるとぼんやりぼやけてしまうので2枚で作るのがおすすめです。
なかみのかたち
容器の中に入っている「なかみ」の形も想像してみようという、日常では思いもつかない展示です。本当に視点が素晴らしいですね。
このケチャップだか、マスタード?の容器の中身も面白いですね。人の手で押されて出ているという、容器のへこみ部分もちゃんと再現されています。
器のモンタージュ
こちらも参加型のあそべる展示なので、他の展示にくらべて常に混んでいる印象でした。少し空いた時に覗いてみたら、もうぐっちゃぐちゃでここは一体何の展示・・・?となってしまいました。
木製の器が何種類もたくさん置いてあり、それぞれ横にスライスされていて組み変えてあそべるというものですね。自分好みの器を創造して、記念撮影なんていかがですか?
アン・ドゥ・トロワ
普段何気なく行っている動作を、3つの瞬間で表している展示です。テレビで見るデザインあの「アン・ドゥ・トロワ」は最後に必ず答えが流れるのですが、これは答えがどこにも書いてないので想像するしかありません。
結構真剣に考えてみたのですが・・・ ちょっと難しすぎませんか?(笑)これは、生卵を割ってるのかと思いましたが2番目の両手の位置が遠すぎますよね。
これは掃除機をかけてるのかと思いましたが、3番目で背負ってる感じがするんですけど・・・いずれにしても理解不能で難しかったですね。答えがわかる方は是非教えてください。
全国名字かずくらべ
こちらは全国の名字に焦点をあてた展示です。数が多い名字ほど大きく表示されていて、珍しく少ない名字ほど小さく表示されています。
小さい名字は虫眼鏡で拡大しないと探すのも困難なので、みなさん自分の名字を真剣に探されていたのが印象的でした。
目には「め」を 歯には「は」を
「なまえ」はあらゆる物事を区別し、意味を切り分けている事から、私たちが普段見ている世界を「ことば」に置き換える事で、物と名前の関係を観察できる展示となります。
遠目で見ると一見普通の大きな写真ですが、近寄ってみると全ての物がことばで出来ている事に気がつきます。
こんなにはっきりと四角で分けられた文字なのに、遠くから見たら普通の写真に見えるのが不思議ですよね。文字もちゃんと対象物の名前になっていて面白いです。
かんばん「あ」
街中にはあちらこちらに色々な形の文字があります。街中にある文字を集めて、そのフォントの「あ」を一覧にしています。個人的に「フォント」にすごく興味があり、この展示は眺めているだけでウキウキしました。
「あ」のフォントと、そのフォントが実際に使われている街中の風景が液晶に映し出され、その外観にマッチしたフォントを使用しているかどうか観察できます。文字自体にも本当にたくさんの種類があり、それらもデザインされることによって創造されているのですね。
デッサンあ
番組をご覧になってる方にはおなじみの「デッサンあ」を実際に自分で体験できるコーナーです。12席用意されていますが、常に満席で大人気でした。
描いたデッサンは、奥にあるスキャンで読み込めば会場内の大型モニターで映し出される他、デザインあ展の公式ホームページで紹介されます。
自分の描いたデッサンが大型モニターに映し出されたところを記念撮影されている方が結構いらっしゃいました。一瞬なので、動画で撮影されると撮り逃しを防げるかもしれません。
みんな真剣にデッサンしていましたよ。チラチラ確認しながら一生懸命。良い思い出になりますね。
もんどころ
こちらは「観察のへや」最後のもんどころです。奥に「体感のへや」への入り口が見えますね。
日本に古くから伝わる伝統的な「紋」を描ける場所です。描ける紋の種類は「梅」「瓢(ひさご)」「三つ巴(みつどもえ)」「雁金(かりがね)」の4つです。
横の引き出しから紋を描く専用の用紙を取り出し、座ってじっくり描きましょう。描き方については目の前に書いてある説明をみたり、備え付けのipadでも確認できます。
こちらもデッサンあに引き続き、子供から大人までみんな真剣に机に向かって体験されていました。席は左右に分かれて全部で8机16席用意されていました。
体感のへやから先は次の記事で
観察のへやだけでかなりのボリュームになってしまいましたので、続きはこちらをご覧ください。会場限定グッズも紹介しています!

9月以降の混雑状況はこちら

デザインあ展 in TOKYO 開催概要
デザインあ展 in TOKYO | |
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2018年7月19日(木)-10月18日(木) | |
日本科学未来館1F 企画展示ゾーン | |
10:00-17:00 ※入館は閉館時間の30分前まで 但し、土曜日と祝前日 (9/16、9/23、10/7) 8/10~18は20:00まで開館 常設展は17:00に終了 |
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9月以降の毎週火曜日 | |
大人(19歳以上)1,600円 中人(小学生-18歳以下)1,000円 小人(3歳-小学生未満)500円 ※当日券を日本科学未来館の チケット売り場で購入できます。 |
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日本科学未来館 住所〒135-0064 東京都江東区青海2-3-6 詳しい行き方 * |
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03-5777-8600(ハローダイヤル) | |
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Design「あ」 |